雑記 十一

 6月12日に観世流の「高野物狂」を勤めました。

 この曲は「男」物狂いのなかなか面白い、珍しい曲目です。
 主人の平松殿(春満の父・舞台には姿ナシ)亡き後、子息春満(子方)は遁世の身となって高野山に修行の身になります。 突然の事に家人高師四郎(シテ)は子も狂わんばかりの思いでアトを追い探します。 そして高野山で師僧(ワキ)と共に居る幼主春満と喜びの再会という内容です。

 再会の驚きと物狂いが見ものですが、当時の忠君思想は現在では中々理解出来ないものかもしれません。 しかし人々には喜怒哀楽の時には一瞬狂気の姿になるのが普通で、人の心情は昔も今も変わらないものと思われます。
子方の愛らしさはいつも心が安らぎます。


 紫陽花や 時経し変わる 色と人


敦弘


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静ト動 ~観世・宝生 異流共演の面白さ

7月10日(日) 午後二時開演

宝生能楽堂(水道橋)
(地図 http://www.hosho.or.jp/nohgakudo/




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≪番組≫

 観世流
鸚鵡小町 おうむこまち
 年老いた小野小町の事を聞いた帝は一首の歌を勅使に託し返歌を求めた。小町は賜った御歌から一字のみを変えて返歌とする。これこそ鸚鵡返しの技法と述べ、和歌の六義、徳を語る…
: 野村四郎(シテ)、野口敦弘(ワキ)、一噌庸二(笛)、大蔵源次郎(小鼓)、柿原崇志(大鼓)



 和泉流
萩大名 はぎだいみょう
 狂言。田舎大名が太郎冠者のすすめで萩が盛りの庭見物に行くことになったが、その庭の持ち主は歌を好み見物客に所望するという。太郎冠者は歌を詠めない大名に一首の和歌を教えるが…
: 野村万作(シテ)、高野和憲(アド)、石田幸雄(アド)



 宝生流
雷電 らいでん
 憤死した菅原道真が死後、祟り神と成って宮中で猛威を振るった伝説を基にした一曲。宝生流では長らく「来殿」の字が充てられて演じられてきたが、本公演では近年復曲した「雷電」の形で演じられる。
: 朝倉俊樹(シテ)、野口能弘(ワキ)、野口琢弘(ワキツレ)、吉田佑一(ワキツレ)、内藤連(アイ)、寺井久八郎(笛)、住駒匡彦(小鼓)、国川純(大鼓)、観世元伯(太鼓)



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全席指定
A席 12,000円
B席 10,000円
C席 8,000円
D席 6,000円(学生4,000円)


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